2012/10/16

パフォーマンスパーツの落とし穴

ひさびさのBlog更新ですが、しら〜っと作業報告いきたいと思います。






2003年式FLHRです

2003年式ですがオーナー様が非常に大切に乗られているのが、外装のペイントや
クロームのコンディションから伺えます

キャブレター HSR42
機関もS&Sカムギアドライブ & S&S510Gハイカムコンバージョン済み、

とツインカムのウィークポイントのカムチェーンテンショナーも対策済みで
何も手を入れる部分が見当たらない車両ですが、
今回は アイドリングが安定せず止まる、異常に燃費が悪い という事で修理依頼頂きました。




オーナー様からの報告と入庫時の症状からまず二次エアを疑いました
インテークマニホールドをエンジン側から見た状態です

インマニシール割れてしまい完全に賞味期限切れです


左が新品、右が付いていたシールですが、潰された状態で硬化してしまっています。

画像がありませんがマニホールドにキャブレターを差し込む部分の
スピゴットシールも当然交換です


インマニシールをヘッドに押し付けているフランジです



ツインカムの物は対策されて強化されているのですが、
わずかながら反っているので修正して組み付けです

EVOも同じ形なのですが、厚みが薄く今回の物以上に反ってしまってます。
反ってしまったままの状態ではシールに対してメーカーが設計した圧力が
かけれない為、その場しのぎでは治るかもしれませんが、完全な修理とは
言えないのかと思います



せっかくキャブレターを外しているので、硬化したFuelホースも交換です




 新品スピゴットシールを交換してキャブを組み付けですが、
シリンダーのフィンに当たって最後まで入りません




Mikuni HSR42 45は組み込みの際にシリンダーのフィンにキャブの逃げ加工をしてやらないと適正な位置に組み付けできません

スピゴットの差し込みが最後まで入っていなければ当然二次エアのリスクも高まります



キャブレターの位置が奥に入ったので、エアクリーナーの
バッキングプレートのオフセットスペーサーも再調整です



今回のアイドリング不良、燃費の悪さ  の原因は

*インマニシール、スピゴットシールの劣化
*シリンダーに逃げ加工がされていなかった事による
 キャブレターの組みつけ不良
*二次エアを吸った状態でのキャブレターセッティングにより
 異常に大きいジェットで燃費が悪化

と複合的な原因でした



5、6年前でしょうかお世話になった師匠に言われた事をふと思い出しました。
「パフォーマンスパーツを取り付けして早いバイク、早いエンジンを作っても
 それはパーツがエライんであって、組んだ人間がエライんじゃない!」

その頃の自分には分かるような分からない様な言葉でしたが、
やっと少しずつですが分かってきた様な気がします


今回に当てはめるなら、せっかくのチューニングパーツを取り付けしても
組みの精度が悪いとパフォーマンスを発揮するどころか、まともに
走行する事すらままならないと言う事かと思いました。


「組みの精度」まだまだ日々勉強です

学生の頃に勉強あまりにしなかったからツケがまわって来てるんでしょうか!?




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