2014/03/23

焦ります

やっとと言うか、いよいよと言うか暖かくなってきました。
暖かくなって体も動きやすく作業ははかどるのですが、
町中で見かけるバイクの台数も明らかに増えお預かり修理車両
なるべく早く納車しなければとこのシーズン毎年あせります。



オイルポンプの合わせ面よりのオイル漏れ修理その他数箇所の修理で入庫
頂いている78FXです


この状況あなどるなかれです! この箇所ばかりはオイルが漏れるのは
入っている証拠なんて冗談では済ませられません。
オイルポンプカバーとの間から漏れている事によってフィード側
の油圧が低下しています。 しかもこの車両エンジン始動すると
けっこうな勢いで漏れてきます。

油圧についてタペット音が出なければあまり問題視されない様ですが
実際はオイルポンプの油圧低下が原因でタペット音が出るところ
までいくと末期症状です。
なぜかと言うと、オイルの圧送量の少なく油圧の低い
状況ではリリーフバルブによって制御されクランク側にはオイルが
回らない為です。




更にアイドラーシャフト抜けてしまっています。
これもまた油圧低下します。




カムカバー内もなかなか大変な事になっています。
カムシャフトのスラスト調整不良により焼けてしまっています。
残念!




ピニオンシャフトブッシングも異常摩耗&焼けてしまっています。
Rightケースとラインリーム加工されていない物に交換したのでしょう。




ピニオンシャフトエンドも0.08mm振れています。
ブッシングクリアランスを考えると完全アウトです。

とは言ってもカムブッシュ、ピニオンブッシュ、ピニオンシャフトの
振れの適正化はクランクケースを割っての作業になるので、
今回は見逃しとの事なので、このままいきます。




せっかくなのでカムギアのタイミングチェックです。
一目盛り2°のズレです。




一度抜いて適切なタイミングで入れ直しです。
純正Hカムでカラーコードもマッチング、スリップの痕跡も
無いのに不思議です。
メーカー出荷時からなのでしょうか!?




仮組み状態でスラスト再調整です。




あわせてブリーザーギアのシム調整もしておきます。




続いてオイルポンプ、 アイドラー抜けなのですがこれまた
現状回復リクエストなのでせめてチェックボールシートだけでも
修正しておきました。




他にも修正箇所あったのですが、いきなりオイルポンプ組み付け
芯出し完了です。




常識ですがピニオンギアナットインパクトでパリパリッなんて
もっての他です。




先にシム調整を済ませてあったカムシャフト、ブリーザーギア組み付けて
カムカバー内作業は完了です。




タペットブロックを特殊工具にて確実にセンタリングした上で
組み付けです。
後プッシュロッド張って作業完了しています。



                                GLORY ENGINEERING
                          東京都世田谷区給田3-29-10
                          TEL   03-6909-0626




                      


























2014/03/15

花粉症デビュー!?

近頃暖かい日が少しづつ増えてきて体調的にも気分的にも
作業がはかどるのですが、昨年の春予兆の様な物は感じて
いたのですがつい先日明らかに花粉症の症状と思われる
目の痒みと鼻水が同時に襲ってきました。
まさかとは思いましたが、どうやらデビューしてしまったようです。
とは言ってもまだ軽度なので、これ以上酷くならない事を祈るばかりです。



 52FLです


納車前日にグリップをやっぱり純正でとの事で持ち込み頂いた
カチカチの純正グリップと格闘の末なんとか無傷でスパイラルと
分離することができました。




納車前日にまさかのジェネレーターの発電不良が発生したのですが、
分解、アーマチュアの修理で復活です。 




納車前日で焦っていたので分解画像は有りませんが、バッチリ発電
しています。  
このジェネレーターの寿命そう長くは無いかもしれないですね。





なんとか週末の納車に間に合わせる事ができました。

今回車体全体に渡って手を入れさせてもらいましたが、
入庫頂いた時とは見違えるほど雰囲気の良いバイクに
仕上がったのでは無いでしょうか!?
大幅な外装のカスタムの様なメニューでは無いですが、
自分の座右の銘「神は細部に宿る」といった所でしょうか?


リンカートのエアクリーナーが付いていませんが、
この状態で一旦納車でInuchoppers さんに "牛の鈴"エアホーンを
製作依頼中です。



67 TR6です

左側のスパーク不良で入庫 トラブルシューティングの結果
イグニッションコイル不良でした。




まさかの左側のみ6V用です。




コイル交換に合わせスパークプラグ交換で復帰です。
トライアンフのツインキャブ、バッチリ同調もとってあるので
下から上まできれいに吹け上がります。

ただAMALのキャブはスロットルバルブのスプリングが堅すぎる様な
気がするのですが、迂闊に切ってしまうと吸入負圧で
スロットルバルブが下がらなくなってしまう危険性があるので
短くつめてしまう訳にもいきません。
ツインキャブの場合こまめな調整が必要かもしれませんね。





                           GLORY ENGINEERING
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2014/03/08

本末転倒

現在AM4:17なので前置き無しで早速いきたいと思います。

佳境に入っている52FLです


前回スロットル側は終わっていたので左側、手動進角です
今回はオートアドバンスのデスビのままいくのですが、
将来的に手動進角化も可能な様にプランジャー溶接なんて強行手段には出ず
少し賢い方法で手動進角側グリップの動き殺しておきました。




いよいよエンジン始動といきたい所ですが、その前にノブの締め込みに
引っかかり感のあったシャットオフバルブの気密性を確認したところ
全閉にもかかわらずまあまあ良いペースで漏れてきます。




と言う事でシャットオフバルブのアライメント修正です。




修正、組み付け、動作確認を数回繰り返して完了です。
我ながら完璧と言えるクオリティーではないかと思えるほど
引っかかり無くスルッスル締まります。
もちろんGAS漏れも止まり完了です。

近頃流行り感さえ感じるリンカートキャブ 純正のフロートバルブであれば
鉄対ブラスです。 
純正シャットオフバルブ付きタンク×リンカートの際はこの箇所の
全閉時の気密性は大切です。
締め込みの際引っかかりを感じる、締め込みが妙に堅い物は漏れていると思って
良いかと思います。

他にも思い当たる事ありますが、リンカートが燃えるなんて言われる原因の
一つではないでしょうか。





続いて、タンク脱着のついでに交換依頼されていた純正シフトゲートですが、
元付いている物が見事に加工されています。




シフターレバースタッド見事にガタガタです。
ここがこの状態で社外シフトゲートが信用できないと削るのは本末転倒です。
残念



本来の状態に戻します。ブッシュ打ち替え




からの、リーマー合わせ




シフトレバーも炙った痕跡があり嫌な予感的中で修正しておきました。




シフトゲート通りスコスコ入る事を確認して完了です。




これにて依頼内容全て完了 Al材でスペーサー2点製作




フレーム側が加工されている為ステアリングダンパーが付けられないので
ダミー加工です。




若輩物の自分ですが、今夜ばかりは少々もの申させて下さい。

ビンテージブーム、旧車ブームでいろんな情報や良い車両が
入ってくる反面、
流行り物には必ずと言っていいほど、それがお金になるからと言って
介入してくる人達がいます。 ガラクタ同然の車両も輸入されます。

ブームと言って差し支えの無い現状では
本物と本物の人間を見極める目が必要かと思います。
自分も本物の修理屋と評価してもらえる様に精進します。


今夜は少々立腹なのでアルコールで前頭葉をふやかして明日に備えて
さっさと寝たいと思います。



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                         東京都世田谷区給田3-29-10
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