2021/07/31

実走初期慣らし500km完了


 S&S ナックルKN93様 エンジンオーバーホール後の実走初期慣らし3日目

御殿場IC折り返し足柄SA AM 2:50

恒例の東名御殿場IC折り返しで実走初期慣らし500km完了です。

オーバーホールのエンジン組みたての慣らしで1番危険な所はオーバーホールの一環として責任持って慣らししてから納車です。

組み方、各部数値に問題有れば500kmも走ればトラブル出るはずなので、自分の作業の最終確認作業でもあります。

2000km慣らしの残り1500kmはオーナー様にコツコツ頑張って貰います。

エンジンオーバーホール後の慣らしは唯一乗りたい時に乗りたい様にではなくたったの1500kmだけエンジンの為にエンジンが求める環境での慣らしをお願いしています。

慣らし走行の質でエンジンライフに差がつきます。

ある意味エンジンのオーバーホールという作業は組んで500km迄の初期慣らしを担当する自分と残りの1500kmの慣らしをお願いするオーナー様との共同作業といえるかもしれません。


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神奈川県横浜市港北区新吉田町5331
TEL 045-620-2317

2021/07/30

エンジン腰上オーバーホールの続き5






S&S ナックルKN 93様 エンジン腰上オーバーホールの続きです。

バルブカバーの板金修正です。

KNシリーズ用のガスケットはメタフォームと言われるアルミコアに柔らかい耐油ゴムがコーティングされた現在のガスケットにアップデートされていますが、バルブカバーは純正ナックルと同じくプレスのカバーなので合わせが悪いままではどんなに良いガスケット組んでも、液体ガスケットてんこ盛りに塗っても漏れます。

板金修正して合わせ面精度を上げてガスケットに掛かる面圧を均等に上る様に仕上げたので液体ガスケット無しでも行けそうですけど、今回は時間的にも失敗したくないので薄く液体ガスケット使用しました。

今夜実走慣らしの仕上げで御殿場IC往復で仕上がりですが、今のところロッカー周りからのオイル漏れ、滲み皆無です。

組みたての無負荷ラッピング中の動画ですが良い音してるでしょ?



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実走慣らし2日目



S&S ナックルKN93様 エンジンオーバーホール後の実走慣らし2日目
間違いなく夏に苦行の慣らしなんかで来る所じゃないな
昼間にビーチでビール片手にビキニギャル眺めに来たいな
今夜は目標200kmあと1時間が勝負のAM4:30


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2021/07/29

エンジン腰上オーバーホールの続き4

 










S&S ナックルkN93様 エンジン腰上オーバーホールの続きです。

バルブスプリングは既存の物が1箇所過度に張力低下していたので、新品セットでセット圧、最大リフト圧合わせです。

通常のオーバーホールではインナースプリング、アウタースプリングのセットをバラし個々の張力測定の上で4箇所がなるべく均等な張力になる様にセットを組み替え、低いセットには最後にシム調整で合わせています。

ほぼ均一なセットができたら張力の高い2セットをインテークに振り当てるようにしています。

バルブジャンプする所まで回しきるお客様には特別にロワシート加工で4箇所完全にセット圧バチっと揃えます。

S&SKNシリーズ現行は仕様変更しているのでしょうか?

バルブカップ下のガスケット内径が小さいので加工して合わせました。

純正とは違いS&SKNシリーズ特有の構造の部分ですが、アルミのバルブカップは良いと思いますが、バルブカップにスペーサー介してロッカーシャフトを組む構造になっていますが、スペーサーがバルブカップよりも飛び出していました。

これでは液体ガスケット塗っても直ぐに漏れてくるでしょう。

平面研削盤で面研して調整しました。

ロッカーアームのスラストもKNシリーズ特有の構造ですが、S&S製品使っていますが、S&Sの規定値には入っていませんでした。

選択肢の無い専用スラストスペーサーをこちらも平面研磨でスラスト調整しました。

スラスト調整で仮組み時に動きが渋かったので確認すると4箇所全てどこかしらバルブカップとロッカー接触していましたので逃げ加工しました。

S&SKNシリーズシリンダーヘッドロッカーアーム周り純正から改善されていて良いなと思う所と、甘々で全然な所と折角なら改善して欲しい所が結構ありました。

S&Scyclesさん年俸$50000位でKNシリーズの再開発に呼んでくれないかな?

今回初めてやったけど結構案出せると思うんですよね。


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2021/07/28

実走慣らし


 S&Sナックル KN93様 

4徹の甲斐あって今朝5時に火入って、午前中目一杯ラッピングして午後一車検に持って行って、不備でやっつけられつつも何とか現場対応で車検取得して、急いで戻ってラッピングの続きをして実走慣らし中です。 AM3:50


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2021/07/26

エンジン腰上オーバーホール3

 








S&S ナックル KN93様 エンジン腰上オーバーホールの続きです。

S&Sナックルコンプリートモーターのロッカーアームは純正に比べアップデートされてブッシュが入っていますが、修理部品としてのロッカーアームブッシュが存在せず、ロッカーアームアッセンブリーで替えてねって事らしいです。

しかも大変なお値段です。

という事でブッシュ作成しましたが、ほぼ丸一日仕事です。

1個2個ならまだしも8個は汎用機で作るもんじゃないな

NC旋盤欲しいな

既存のロッカーアームシャフトはカジっていたので交換で新品ですが、画像では伝わりづらいですが、爪が引っかかる位仕上げが荒いので計測しながらラッピング仕上げしました。

ブッシュの内径仕上げもショベルとはシャフト径が違うのでスペシャルでリーマ用意して加工しました。

このエンジン大変です。



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2021/07/23

エンジン腰上オーバーホール2







S&S ナックル KN93様エンジン腰上オーバーホールの続きです。
ピストンクリアランス計測、ピストンリングギャップ計測、調整です。
S&Sのピストンリングトップリングの形状が以前の物から形状変わっていました。
とは言っても全然現在的なピストンリングには程遠いですが、結果に期待です。
インテーク、エキゾースト 共にポート内にシリンダーヘッド鋳造時に出た鋳バリが盛大に残っていました。
結構立派でドライバーで軽く押すだけで落下する箇所もありました。
こんなのエンジン動いてる時に落下したらバルブシートに食い込むかバルブ曲がってしまうレベルです。
ポート研磨ではなく、あくまでも砂落とし、バリとりに留めました。
バルブの擦り合わせは手作業派ですが、シートカッターの刃物が傷んでいたのか?引き目がいまいちだったので擦り合わせに苦労しました。 
エアーラッパー遂に買おうかな?


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2021/07/22

エンジン腰上オーバーホール











 S&S ナックルKN93様エンジン腰上オーバーホールです。

S&Sのシリンダーベースナットは座面が狭すぎてシリンダー側座面の座屈を原因とするベースナットのトルク抜けが怖いので対策として78upのショベルのスタッドボルトに三日月形状のワッシャーを入れナットも78up仕様に対策しました。

ピストン組んでシリンダー落としてから不具合が見つかるとガッカリなので、ピストン無しで仮組み確認、加工しました。

この対策ストローカーエンジンの方は特にやった方が良いと思います。

三日月ワッシャー入れる事でシリンダーベースフランジの剛性も上がると思います。

腰上オーバーホールの際のピストンピンブッシュ入れ替え、内径仕上げはどうしても確実に1発で完璧な仕上がりを出せないのであんまり好きじゃないです。

フルオーバーホールならコンロッド  単体でフライスでボーリングで1発で完璧に仕上げられるんですけどね

今回はリア側一回失敗で決まりました。

ピストン-ピストンピン間のフローティングクリアランスも考慮してピストンピンブッシュクリアランス仕上げています。



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2021/07/21

トランスミッションオーバーホール 続き



 





69FLH様 トランスミッションオーバーホールの続きに戻ります。
シフターシャフトブッシュと合わせてポールキャリアブッシュも勿論入れ替え仕上げします。
シフターフォークはメイン側、カウンター側共に歪みがあったので交換してシフターフォークアライメント調整です。
角ギヤのドグリングの噛み合わせで計測し測定値を振り分ける方法で調整しています。
シフトフィーリングに影響する重要な箇所なので緻密に計測、調整しています。
数値上きれいに調整が終わったら勿論ラチェットトップ仮組みして、スコスコ角ギヤスムーズに入り抜けるかも確認します。
キッカーブッシュの圧入シロが大き過ぎ危険な数値だったので、ブッシュ側外径でケースに合わせても良いのですが、今後の事も考えてJIMSのブッシュ外径に合わせて適正な圧入シロにボーリング拡大加工しました。
キッカーブッシュ内径仕上げてスラスト調整です。
カバー側が過去に加工されていたのでスラスト調整苦労しました。
ラチェットトップカバーがオーナ様が用意してくれたのが63年のパンヘッドの物だったのでトップカバースクリューが合わないので部品入荷したら完了です。


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2021/07/17

フロントフォークオーバーホール





04FLHRS様 フロントフォークオーバーホールです。

今回もフォークオイルドロドロに汚れていました。

フロントフォークインナーチューブも傷有りで当初は一泊で終わらせる予定でしたが、インナーチューブの手配で1週間のお預かりになりました。

毎回書いていますが、フロントフォークオイル2年に1回位のサイクルでは交換しましょう。

フロントフォークに使われているスライディングブッシュはハーレーのエンジンには使われていませんが、クランクメタル、コンロッド  メタルに使われているケルメットメタルです。

オイルフローティングの軸受けなのでエンジンオイルと同じくオイル管理が重要です。

適度なサイクルでオイル交換すればメタルの消耗も少なく、インナーチューブに傷が入る事も防げるし、オーバーホールのサイクルも長くなると思います。

何よりオイルダンパーなので交換前後で体感して頂けると思います。

何時も通りですがフロントフォークオイルは油量ではなく油面で調整です。

FLH系は車重が重いので、低速のストップ&ゴーを繰り返す市街地走行でのバンプ、リバンプのストロークが少ない方が乗りやすいと思います。

立ちゴケの原因はフロントフォークが戻った瞬間が一番多いのではないでしょうか?

プリロード、オイル粘度、油面で少しでも乗りやすい様にセッティングしています。


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